ホテルでのトラブル体験談

54歳 男性の話「それはまだインターネットが、パソコンでしか繋がらないときのことだ」

それはまだインターネットが、パソコンでしか繋がらないときのことだ。しかもその設定は難しく、勝手にルーターを探してくれる今とはまったく違い、いちいち設定入力が必要だった。
二回目の海外出張で、アメリカニューヨークに行った。語学ができないので、実は何度も断ったのだが、年功序列的な意味もあり行くことになった。当時はノート型パソコンも主流でなく、自宅でもデスクトップパソコンだったので、会社からノート型を借りて向かった。
アメリカは流石にネット接続がしっかりしていて、宿泊した部屋にもケーブルの設備があった。チェックインしてまずパソコンをネットに繋ぐ設定をして、繋がったことを確認した後に、服など荷物の整理をした。
夜中にメールを送ると翌日には家族や知り合いから返事が来ているので、気持ちの上では孤独感がなかった。
数日経ち、明日移動するという時に、現地での知り合いとラウンジで深酒をしてしまった。部屋に戻ったことさえ記憶がない。翌朝、部屋の鍵をフロントから借りて起こしに来た同僚に驚いた。次の移動の時間が迫っているのに、何度電話してもつながらないので、フロントから鍵を借りて私の部屋に来たのだ。慌てている私を尻目に、スーツケースにどんどん衣類などを詰め込んでいく同僚。パソコンに繋がっているケーブルを外し、それもどんどん詰め込んでいく。私も事態をやっと理解して動き始めた。
待ちあわせのバスに乗り、ふっとしたとき財布がないことに気づいた。空港に着いて、通訳に先ほどのホテルに連絡、部屋番号を伝え財布がないか聞いてもらったが、返事はまったくないとのこと。ないわけがない、のだが通訳にさえ言葉を上手く伝えられない。ホリデーインは比較的いいホテルらしいが、ルームキーパーにとってはものすごいチップだったはずである。
その後の行程は、別なところにしまってあったクレジットカードが大活躍して、一応事なきを得た。それにしても日本円にして10万円ほどのチップは何に変わったのか、未だに思い出しては気になる。

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